ばななぼーと

レンタル&中古VHSとネットラジオを愛するゆとり社会人のブログ

甘詰留太『いちきゅーきゅーぺけ』【おすすめ漫画紹介】

sousui.info

今週のさばらじおで紹介されていた『いちきゅーきゅーぺけ』という漫画が気になり、
読んでみたところ、非常に面白かったので、
こちらでもあらためて紹介させていただく。
http://ecx.images-amazon.com/images/I/61CGk70Bt-L._SY344_BO1,204,203,200_.jpg


***************************************

主人公が漫画家を目指す「漫画家漫画」は例外なく面白い。
それは勿論、自分の漫画家経験を下敷きにしているだけあって、
かける熱量が違うからだろう。
藤子Ⓐ先生の『まんが道』がその筆頭と言えるが、ここ数年だけでも
バクマン』や『アオイホノオ』などの大ヒット「漫画家漫画」が生まれている。

今回紹介する『いちきゅーきゅーぺけ』もまた、「漫画家漫画」なわけであるが、
特に「エロ漫画」に特化した「漫画家漫画」なのである。作者の甘詰先生といえば、
代表作の『ナナとカオル』で知られるように、
近年は一般青年誌でエロティックラブコメディ漫画を数多く描いているが、
元々は成年誌でエロ漫画を描いていた作家である。

以下に公式によるあらすじを引用する。

 物語は1994年。
 大学入学を機に上京した純平はエロマンガが大好きなオタク予備軍の少年。
 マンガサークル入部で純平の本格オタク人生が幕を開ける♡
 甘詰留太の“半自伝的”青春コメディ!!

 ヤングアニマル嵐web | 白泉社


オタクと上京。
なんかもう、それだけで、「漫画家漫画」としてたまらないものがある。
本作のモデルとなった某W大は甘詰先生の母校で、
サークルも実在のサークルがモデルになっているとのことだ。

「"半"自伝的」と冠されているように、現実離れした美少女が出てきたりするが、
90年代のオタク文化を描いた描写は本当にリアルである
(1990年生まれの自分が言うと説得力がないかもしれないが…)。

インターネットが普及する以前の、
「自分以外にこんな趣味のやつはいるのだろうか・・・」という不安は、
田舎生まれの僕にとって共感せざるを得ない。
森山塔の漫画を読んで色々と考えてしまうところとか、もう・・・
f:id:yazibee:20150507113515j:plain

舞台は1994年ということもあって、
VHS全盛期(というよりも、最後の時代?)
f:id:yazibee:20150507113511j:plain

90年代に「まんがの森」が果たしていた役割を実感できないのは、
やはり、僕がもう少し後の時代の人間だからだろう・・・
f:id:yazibee:20150507113505j:plain

個人的に、甘詰先生の漫画は、
だいたいサブヒロインの方がかわいい気がする。
f:id:yazibee:20150507113502j:plain

とりあえず、何はともあれ読んでほしい。
ニコニコのアカウントがある人なら、
ニコニコ静画で第一話を試し読みできるので、是非。seiga.nicovideo.jp

コミックスは現在、第一巻が発売されたばかりなので、
まだまだ十分に追いつけるはずだ。www.amazon.co.jp