「リトアニア」と「モー娘。」と「秋田ふるさと村」
「リトアニア」という国があることを皆さんはご存じでしょうか。
僕はこの国の名前を初めて認識した時のことをなんとなく覚えていて、それはたしか2000年の秋頃だったんじゃないかと思います。
当時僕は小学4年生で、秋田県のド田舎に住んでいました。グローバルとは程遠い田舎で、そもそも、外国の人を見る機会すらほとんどありませんでした。しかし、ある日の全校集会で校長先生が急に妙なことを言い出しました。
「今度リトアニア少年合唱団が来るので、皆さんも一緒に歌う練習をしましょう」
リトアニア?いったいどこの国?というか何故来る?それも秋田の県庁所在地ですらない県南部の田舎に?と疑問は尽きなかったのですが、どうやら本当に来ることにはなっているようで、その日を境に全校で歌の練習が始まりました。今となっては何を歌ったのかは思い出せませんが、それなりに練習していたのはたしかだったと思います。
そして、いよいよリトアニア少年合唱団と対面する日がやってきました。実はこの日の数日前まで、てっきり、学校の体育館とかでやると思っていたのですが、どうやら思っていたより大きな規模で物事が動いていたようで、秋田県の県南地域のたくさんの学校の生徒を呼んで、「秋田ふるさと村」というテーマパークのホールでやることになっていました。
複数の学校が来ていたので、僕たちの学校の控室はテーマパークの食堂のようなところでした。控室に入ると、何故か突然、一部の生徒が何かに気づいて騒ぎ始めました。
それは当時、人気絶頂期にあった「モーニング娘。」の(誰かの)サインでした。ちょうどこの年の夏にライブで来ていたようで、ファンだった子はすごくテンションが上がっていたのですが、正直、当時の僕はいまひとつピンと来ていませんでした。
というのも、以前にこのブログでも言及したことがありますが、秋田県は民放が3局しか映らず、「モー娘。」がデビューするきっかけとなった「ASAYAN」どころかテレビ東京の番組が映らなかったので、いまひとつブームにコミットできておりませんでした。もちろん、前述したように盛り上がっていた人もいたのですが、それは年上の兄弟がいて流行のレーダーが周りよりも少しマセている子だった気がします。
そんなこんなで、「あ~、これが噂のモー娘。ってやつか~」とサインを眺めていると、本番の準備が始まり、控え室を後にしました。あっという間に本番が始まり、リトアニアの子供たちがメインステージに上がり、僕らはステージの下から観客のように彼らを見ながら歌いました。ステージまではけっこう遠かったので、正直、よく見えなかったのですが、金髪なのでたぶんほんとうに海外の子供たちなんだろうなと思いながら歌い、その回は幕を閉じました。
あれから19年。僕は何故か今年に入って「モーニング娘。」をよく聴いていました。きっかけは2年くらい前に始まった『ラストアイドル』というアイドルオーディション番組でユニットのプロデュースバトル企画が行われていた際に聴いたつんく。の曲がなんか妙に気に入ったことがきっかけでした。
その時はそのユニットの曲を聴くだけにとどまっていたのですが、今年に入ってなんとなく「そういえば、モー娘。って世代だけど通ってこなかったなぁ・・・」と思い、Youtubeで初期モー娘。の曲を聴いてみると、当時は全然聴いてこなかったはずなのに、なんだか懐かしい感情がこみあげてきて気づくと何度かで聴いていました。
まぁ、とはいっても今ちょっと聴いてるくらいなので全然詳しくは無いのですが、『真夏の光線』という曲が特に2000年前後の「あの頃」感を感じます。それと同時に、リトアニア少年合唱団とのセッションを控えたあの部屋にあったサインを思い出す。そんな一曲です。