アラサーゆとり男性『男はつらいよ』の新作を見る。
『男はつらいよ』の最新作が今日、ようやく公開されたのですが、実は試写会があたっていたので、一足先に見に行くことが出来ました。
1990年生まれの僕にとって『男はつらいよ』というと、リアルタイムで劇場では見ていないのですが、渥美清の訃報を幼心に憶えていて、その時にやっていた再放送を見ていたと記憶しています。
そんなわけで、俄かファンではあるものの、おそらく同世代の人よりは見ているという微妙なスタンスですが、せっかく当たったのだから見に行こうと思い、福山の複合娯楽施設「コロナワールド」へ向かいました。
入場すると、すでに多くのお客さんが待機していましたが、座席を見渡すと圧倒的な数の高齢者率!?60代どころか、70~80代と思われる老人で劇場は埋め尽くされており、29歳の僕は最年少なんじゃないかという感じでした。
しかも飲酒率が高い!完全に持ち込みと思われる缶ビール&チューハイを片手にしており、もう完全にデキ上がっているジジババたちで盛り上がっていました。『男はつらいよ』を劇場で観るというのはこういうことなのか…と洗礼を受けながら、さっそく映画が始まりました。
とりあえずどんな映画なのかについては公式HPのあらすじをご参照ください。
寅さんの甥の満男が今作の主人公で、端的に言うならば『満男はつらいよ』といった感じで、基本的な物語の構造を引き継ぎながらちょいちょい回想シーンを挟み、寅さんの生きざまを思い出すという感じの映画です。
回想シーンはけっこうな頻度であるのですが、最初の回想の時点で僕の前に座っていた老人が既にかなりデキ上がっており、スクリーンに向かって泣きながら熱く語りだしました。まぁ、思い入れの強い作品なのでそういうこともあるだろうと思っていたのですが、それにしてもそのサイクルがすごい。
回想の度にジイさんの中のスイッチがオン、しかもそれがドンドン強くなり、「あぁあぁぁぁああああああリリーさん!!」と絶叫&号泣していました。しかも、それでいて飲酒しているのでトイレの頻度が近く、絶叫!号泣!放尿!を繰り返しながら、しまいには潰れて寝ていました。なんというフリーダム。
しかし、そこでいちいち注意する人もいなかったのは、寅さんの人柄をスクリーンで観ていることと、今回の映画のテーマが「老人」であったり、「迷惑」であったり、「赦し」であったからだと思います。
劇場でしか味わうことが出来ない4DXさながらの謎の熱狂を体感出来て、色んな意味で貴重な体験でした。今、この時代に『男はつらいよ』の新作を見るのであれば、皆さんもぜひ、劇場で観てください。それも、できるだけ混んでそうな回で!
なんか微妙な書き方になりましたが、良くも悪くも語りがいのある映画なので間違いなく見て損はしないはずです!