声優が歌うパンク「パンコレ」とは何だったのか・・・
声優による名曲カバー盤というのは、
これまでに何枚も出てきました。
その中でも、いくつか評判が高かったものを挙げるなら・・・
Amazon.co.jp: (キャラクター・カバーCD) : 「神のみぞ知るセカイ」キャラクター・カバーALBUM~選曲:若木民喜 - 音楽
こんなところでしょうか。
実感としても、2010年ぐらいからこの手のCDが増え始めたように思います。
ちょうどその頃から、J-POPの方でも過去の名曲カバー盤や
オムニバス盤が売れるようになっていたので、
それに便乗した形だったのかもしれません。
しかし、このようなカバー盤が出てくるよりもちょっと前に、
何とも言えない珍盤が出てきました。
それは・・・
「パンコレ」
という2009年2月発売のCDです。
先に挙げたCDは全てアニメの企画盤でしたが、
このCDはまったくのオリジナル企画でした。
参加声優もそれなりに豪華なうえに、
レーベルも何故かエイベックスという業界大手。
池澤春菜、門脇舞以、後藤邑子、清水香里、田中理恵、桃井はるこなど、
それなりに名の知れた声優陣が、グリーンデイや、セックス・ピストルズ、
クラッシュ、ラモーンズ、ニルヴァーナといったレジェンドクラスのバンドの
名曲をカバーするというもの。
名曲オムニバス盤ブームに対し、エイベックスが先見の明を以て、
クールjapanをアピールしようとしたのかは定かではありませんが、
この企画を知った当時、率直に感じたのは・・・
売れるのかこれ?
ということでした。
まず、ジャケット絵が絶望的にダサい。
というか、ヘタクs(ry
しかし、案外バンドマンにはオタクも多い(実体験に基づく偏見)ので、
アニメ・声優好きでパンクロック好きな人も納得できるクオリティの楽曲だったらいけるのかも…?
そう思いながら、試聴をクリックすると・・・
後藤邑子 - Smells Like Teen Spirit - YouTube
ピアノから始まってる・・・
しかも、なんか穏やかというか、
原曲のエモーショナルな感じは一切削ぎ落として
みくるちゃんボイスで歌っている・・・
Nirvana - Smells Like Teen Spirit - YouTube
カート・コバーンもびっくりのカバー。
では、他の曲はというと・・・
田中理恵 - Anarchy in The U.K. - YouTube
The Sex Pistols - Anarchy In The U.K (official video) - YouTube
お、おだやか~~~~
清水香里 - Blitzkrieg Bop - YouTube
The Ramones - Blitzkrieg Bop (Live) - YouTube
なんかめっちゃキラキラしてる~~~~~~~~
へい!ほー!れっつごー!
いいかげんにしてッッッッッッッ!!?????!!!!!!!!!!!!!!!!!!!??????!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なんだこれは!
全然パンクじゃないだろ!!!!!!!!!!!!!!!
いいか、パンクっていうのはなぁ!
パンクっていうのはなぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
と、ここまで煽られたところで、
ふと、頭に浮かんだのは次の言葉でした。
「Punk Is Attitude, Not Style(パンクは姿勢であり、スタイルではない。)」
そうだ、パンクは「こうあるべき」を破壊するものだった。
けっして、先人の真似を重ね、枠に押し込めるものではない。
そうだ・・・
「萌え」もそうなのか。
ツンデレ幼馴染お嬢様や眼鏡巨乳委員長みたいな、
消費されつくした属性に押し込めたキャラクターに対し、
安直に「萌え」という言葉を使ってしまうことへのアンチテーゼなのか・・・
ありがとうパンコレ!
そうか、そういうことだったのか!!!!!
と、ここまで至って満足し、
試聴だけで買うことはありませんでした 笑
もちろん、このCDも全然売れませんでしたとさ。